やましろで暮らす-トップページ > 京田辺市に移住し、移住先で農業に携わる村瀬治裕さん・梓さん(京田辺市)【インタビュー記事】

更新日:2026年8月10日

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京田辺市に移住し、移住先で農業に携わる村瀬治裕さん・梓さん(京田辺市)

移住したきっかけを教えてください。

梓さん:

「私は京田辺市出身です。京都の百貨店で働いたり、新幹線のパーサーを経験したのですが、『いつか農業に関わりたい』という気持ちがずっとありました。私が小さい頃から祖父が農業をしていて、その姿をずっと見て育ったので、私自身農業がすごく好きだったんです。

20代前半のときに、ファームレストランで働きたいと思い、全国の求人を探して北海道の店に辿り着きました。この仕事をきっかけに農家の息子であった主人と出会いました。結婚してからは北海道の十勝で約10年間、農業をしながら暮らしていました。

農業体験や農家民泊にも関わっていたのですが、もっと自分たちが思い描く農業がしたいと、2020年に私の実家がある京田辺市に家族みんなで戻ってきました。

地元に戻ってきてからは、祖父との思い出の土地を守りたいという気持ちが強くなりました」

治裕さん:

「僕は北海道の十勝で生まれて育ちました。実家が農家だったので、そのまま農業に関わりながら生活していました。

僕にとって京田辺市はまったく知らない土地でした。自分の中で住みたい場所に強いこだわりがあったわけではなく、『家族が暮らす場所ならどこでもいい』という感覚でした。なので妻が住みたいと言った場所に『じゃあ行こうか』という感じで、迷いはあまりなかったですね。

北海道の道東は米づくりが難しい地域なのですが、京田辺なら米づくりにも挑戦できるし、自分たちの農業の幅も広がるんじゃないかという思いもありました」

現在の仕事・生活について教えてください。

治裕さん:

「今は会社員をしながら農業もやっています。いわゆる兼業ですね。工場勤務なので平日・休日のような区切りがあまりありません。農業は休みの日にしています。工場はシフト制で夜勤もあるので生活リズムは不規則です。ただ、家と職場が近いので通勤のストレスがかなり少なく、生活しやすさにつながっていると思います。

北海道では夫婦で専業農家をしていて、天候に左右されながら毎日作業があり、自分で休みを決めないと休めない生活でした。例えば、じゃがいもの収穫であれば何か月も続きますし、ずっと働き続けるような感覚でした。

京田辺市に来てからは、休みも増え、楽しみながら農業に関われている感覚があります。京田辺市は程よく田舎で、少し行けば住宅地や商業施設もあって、仕事も見つけやすいですし、生活はすごくしやすい場所だと思っています」

梓さん:
「自宅の畑を「EverGarden」と名付け、その代表として農業を中心に活動しています。この名前には、「長く続けていきたい」という思いを込めました。

現在は農地を守る取り組みの一環として、空いている農地を活用した景観づくりにも取り組んでいます。たとえば、草が生い茂った農地にレンゲの種をまき、春に花が咲くようにしたり、体験型農園を開いたりしています。

体験型農園には、市民の方や家族連れに参加していただき、一緒に野菜を育てたり、農作業を行ったりしています。農業に興味があっても農地を借りるハードルは高いため、その入り口となる場をつくりたいと考えています。

また、手作業での稲刈りや、子どもたちが土に触れるイベントも実施しています。最近では体験農園への参加を希望するご家族も増え、少しずつ広がりを感じています。

さらに、農薬をできるだけ使わずに育てたお米を使い、甘糀づくりにも取り組んでいます。加工は専門の事業者に委ねていますが、地域で採れたものに付加価値をつけて届けたいという思いがあります。

子どもは4人おり、3人は北海道、末っ子は京田辺で生まれました。京田辺への移住は、ちょうど上の子が小学校に入学するタイミングでした。

子育てをする中で、土や人に触れる機会が意外と少ないことに気づきました。その頃に出会ったのが「こどもとごはん」という団体です。地域の子どもたちや親子が集まり、一緒にごはんを作って食べたり、畑で収穫したものを味わったりする場づくりを始めました。現在は「きょうと食いく先生」の認定を受け、活動を続けています。食べ物がどのように育つのかを伝える食育を通じて、地域の人たちが自然につながれる場づくりとして、その取り組みを引き継いでいます。」

地域の魅力について教えてください。

治裕さん・梓さん:
「この地域の魅力は、自然と暮らしのバランスがとても良いところだと思っています。北海道では、移動距離が長かったり雪の影響を受けたりと、生活面では大変なこともありました。こちらでは自然がしっかり残っている一方で、少し車を走らせると住宅地や商業施設もあり、生活のしやすさを感じています。

農業の面においては、北海道では環境的に難しかった米づくりに挑戦できます。

また、地域の方との距離感が心地よく、自然に声をかけていただいたり活動を応援していただいたりすることで、初めて暮らす土地でも安心して生活することができました。

移住に際して、行政等の支援で役立ったことを教えてください。

治裕さん・梓さん:
「移住してすぐの頃は家族でみんなで乗れる車を持っていませんでした。でも当時、京田辺市から路線バスの利用に対する補助制度があって、遠出のときに公共交通機関を利用しやすくてありがたかったです。

移住直後は生活の基盤を整えることが大変なので、こうした日常生活を支えてくれる支援は本当に助かりました」

移住前後で感じたギャップはありますか。

治裕さん・梓さん:
「移住前は、新しい地域で受け入れてもらえるのか少し不安もありましたが、実際に暮らしてみると地域の方が自然に声をかけてくださったり、活動を応援してくださったりして安心して生活をスタートすることが出来ました。北海道では近くの駅まで車で約1時間もありましたが、ここでは最寄駅まで歩いていけるので、車が無くても生活が出来ることにギャップを感じました。環境や働き方は大きく変わりましたが、歩いて行ける距離に職場があったり、自分達がやりたい農業や活動に挑戦できたりと、前向きな変化が多かったと感じています。」

これから移住を考えている方へアドバイスをお願いします。

治裕さん・梓さん:
「京田辺市は、京都・大阪・奈良に出やすい立地なので、通勤通学の幅が広がるのも大きな魅力だと感じています。

一方で、暮らすエリアによっては車がないと移動が難しい場所もあるので、地域の交通手段は事前に確認しておくと安心だと思います。

梓さん:

「この町は住み心地がよくて、それを日々の暮らしの中で実感できる場所です。『移住』とあまり気負う必要もないと思っています」

 
   

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