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更新日:2025年6月17日

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京都府環境審議会総合政策部会議事要旨(令和7年5月9日)

1 開催日時

令和7年5月9日(金曜日)午後3時~午後5時

2 場所

ハートピア京都(京都府立総合社会福祉会館)第5会議室(京都市中京区竹屋町通烏丸東入る清水町375番地)及びオンライン(Zoom)とのハイブリッド開催

3 出席者

【部会委員】

大庭委員、中小路委員(※)、金村委員、酒井委員、髙橋委員、細谷委員、松原委員、山田委員、横山委員(※)、吉積委員、吉本委員(※)、冷泉委員、渡邉委員

相本特別委員(※)、伊藤特別委員(※)、氏橋特別委員、惠谷特別委員、野村特別委員(※)、長谷川特別委員(※)

(計 委員13名、特別委員6名)

注※上記のうち、次の委員は代理出席

中小路委員(代理:古瀬 京都府市長会事務局長)
横山委員(代理:浦 京都市計画調整・環境教育担当課長)
吉本委員(代理:西川 京都府町村会事務局長)
相本特別委員(代理:岡本 近畿農政局課長補佐)
伊藤特別委員(代理:岡﨑 環境省近畿地方環境事務所課長補佐)
野村特別委員(代理:築山 京都地方気象台次長)
長谷川特別委員(代理:山口 近畿地方整備局環境調整官)

【事務局】

笠原総合政策環境部技監、中埜脱炭素社会推進課長、水落循環型社会推進課長、杉本自然環境保全課長、峯環境管理課長、藤井農村振興課参事、岡山脱炭素社会推進課参事、その他関係課員

【傍聴者】1名

4 議事事項

  1. 京都府環境基本計画の見直しについて
    資料1「改定京都府環境基本計画の見直しについて」により、事務局から前回の意見を踏まえた見直し案(第5章、第6章)、第1章から第6章の内容を簡潔にまとめた概要案(以下「概要案」という。)及び見直し後の計画の進捗状況の点検等に係る運用案(以下「進捗状況点検運用案」)について提示し、ご意見をいただいた。

主な意見は以下のとおり。

<委員>本日の議事は「京都府環境基本計画の見直しについて」であるが、とくに概要案と進捗状況点検運用案についてご意見いただきたい。まずは前回の意見を踏まえた修正部分も含めて概要案についてご意見をいただきたい。特に、ウェルビーイングについてご意見はあるか。

<委員>「ウェルビーイング=府民一人ひとりが幸せを実感できる状態」という表現をしているが、状態という表現では、その状態であるかないかということになるので、「府民が実感している幸せの程度」という表現の方がふさわしいのではないか。また、「府民一人ひとりが」という表現については、平均化して「府民が」としても良いのではないか。

<委員>事務局としてウェルビーイングの定義付けに根拠や背景はあるのか。

→<事務局>ウェルビーイングについては、これから説明する3つの視点を入れ込み、「府民一人ひとりが身体的、精神的、社会的に満たされ、自分らしく生き生きと暮らし、幸せを実感できる状態」と定義付けし、「ウェルビーイング=府民一人ひとりが幸せを実感できる状態」とお示ししたもの。1つ目は、国の第6次環境基本計画。ここでは定義付けまでされていないものの、高い生活の質等による幸せの実感の向上を想定していると理解している。2つ目は、「肉体的にも精神的にも社会的にも全てが満たされた状態」というWHOの定義。3つ目は、京都府総合計画で、「誰もが生き生きと暮らし、幸せを実感できる人と地域の絆を大切にする共生の京都府」を将来像として提示していること。

<委員>WHOの定義では「状態」となっているのか。状態だと静的な表現となるので、もう少しあり方を示すような表現にしても良いのではないか。

<委員>引用されたWHOの定義は、WHOで健康(health)を定義しており、ウェルビーイングを定義したものではない。

<委員>WHOはwell-being is a positive stateとも説明しており、stateを「状態」と訳すとすると、間違ってはいないと思う。前回ウェルビーイングの文言の整合性について意見を述べたが、今回修正案ということで非常に丁寧に整理されていて異論はない。

(14頁)「環境保全活動と地域活性化とウェルビーイングの同時実現」という表現について、環境保全活動や地域活性化によってウェルビーイングを実現するのではなく、環境保全活動と地域活性化とウェルビーイングを同時に実現するという表現になっているがどういう意図か。

→<事務局>地域活性化とウェルビーイングの同時実現を意図した記載だったが、書きぶりについて再度検討したい。また、ウェルビーイングの定義付けについても再度検討したい。

<委員>国や他の都道府県等が基本計画でウェルビーイングの概念を使い始めているなら、それをどのような手法で測ろうとしているのかを把握し、その上で京都府がどのようにしていくかを決めるのでも遅くはない。ウェルビーイングを測る手段としての府民意識調査の進め方についてはまだ検討されていないということだが、地道な作業が必要。

→<事務局>ウェルビーイングの測り方について、府民意識調査においてどんな設問や方法で測っていくのか、国の調査結果や他都道府県等の指標等を参考にしつつ検討する必要があると考えている。引き続き本審議会で丁寧に進めていきたい。

<委員>第4章では、府の将来像実現に向けた施策展開について、環境、経済、社会の三側面を統合的に向上させることで、ウェルビーイングをはぐくみ、またそれにより環境、経済、社会の好循環を図っていくとあり、その根幹をなすものとして「環境価値の創出」「京都ならではの豊かさ」「協働」という3つの柱が示されている。この3つの柱が、第5章、第6章の文章の中にもしっかり見えるようにしていくとよいと思う。

→<事務局>例えば各章の項目等にも3つの柱が見えるように改めて検討したい。

<委員>厚生労働省では、ウェルビーイングを「個人の権利や自己実現が保証され、身体的、精神的、社会的に良好な状態にあることを意味する概念」と定義しており、「状態」と表現されているため、書きぶりは「状態」で良いと思うが、「府民一人ひとりが」という表現は、少し冗長に感じる。厚生労働省では、企業を含めて「ウェルビーイングの向上と生産性向上の好循環」を掲げており、「一人ひとり」は不要ではないかと思う。

→<事務局>ウェルビーイングの定義付けは、広く調べた上で改めてお示ししたい。

<委員>「府民一人ひとり」を定義の中に入れるのであれば、先の委員のご意見にあったように、組織についてどう考えるのかも検討することが必要である。

<特別委員>ウェルビーイングという概念を新しく盛り込むことに意義があり、ウェルビーイングの定義付けに入り込みすぎない方が良いのではないか。ウェルビーイングを一般の方にわかりやすくどう伝えるかは大事だと思う。

<特別委員>各市町村の下水処理場で、どれだけマイクロプラスチックを回収できているのか(除去率)、また二酸化炭素が水に溶け、海水のpHが変化し海藻類が育ちにくくなる等、海に影響する部分が気になる。また、30頁の経済安全保障の強化に資する循環資源の再使用・再生利用の拡大の循環資源には飲み水という概念が含まれているのかが気になる。

→<事務局>マイクロプラスチック問題については、全国的に課題になっているが、府内の状況については実態把握できていない。プラスチックごみは海外由来だけではなく、内陸部から流れつくものも相当数あるため、京都府としては、プラスチックごみの排出抑制に向けた意識醸成等の取組を進めているところであり、第6章の「流域一帯で取り組む海岸漂流物対策」には、それらの取組も意識して記載している。具体的な施策については、次期京都府循環型社会形成計画の策定に向けた議論の中で、考えていきたい。

また、現行案の経済安全保障の強化に係る記載では、飲み水という観点はない。他部局の取組もリサーチしながら盛り込めるか考えていきたい。


<特別委員代理>内閣府では、ウェルビーイングの定義を新しく「個人の幸福度や満足度、生活の質を多角的に把握し政策運営に活かすための概念」としており、環境省はその定義に基づき第6次環境基本計画の中にウェルビーイングを取り入れたという経緯がある。

内閣府が示した定義に基づき各省庁が様々な形でウェルビーイングの概念を取り入れていく可能性は高いと思う。内閣府はウェルビーイングに対する取組として「満足度、生活の質に対する調査」を行っており、それに基づき、地域差も考慮しながら、各地域ごとにウェルビーイング指標を設けてまちづくり等の計画をつくる動きがある。

<委員>(29頁)前回の「2R優先」から「3R・資源循環の促進」に変更されたことについて賛意を表したい。ただ再生可能資源利用の概念は中長期的により重要になってくるので、資源循環の概念の中に再生可能資源利用の概念が内包されることは意識して政策を進めていくことが大事。それに関連して、51頁では、一般廃棄物と産業廃棄物の状況を時系列で示しているが、最終処分量がこの数十年でどれだけ減ったかという政策成果や循環利用率がほとんど伸びていないという状況なども示した方がよい。

<委員>ウェルビーイングも難しい概念であると思うが、「ゼロエミッションをめざした2R」等、依然としてわからない表現が多いので、わかりやすくしていただきたい。

<委員>3つの柱である「環境価値の創出」「京都ならではの豊かさ」「協働」、全てに「京都ならでは」という概念がかかってくるのではないか。「環境」「経済」「社会」を統合的に向上させることを軸に考えるのであれば、柱を「環境」「経済」「社会」として整理し、全体に「京都ならでは」がかかる方がわかりやすいのでないか。

また、ウェルビーイングについて、「幸せを実感」と表現しているが、幸せは一人ひとり違うもので扱いが非常に難しい。事務局からベースになっていると説明のあったWHOの定義では健康(health)が基本のコンセプトとなっており、環境基本計画では、府民一人ひとりの身体的、精神的、社会的な健康を阻むようなことにならない社会づくりを目指すことが重要であるため、「健康健全」と表現するのが良いのではないかと思う。

また、9頁にブルーカーボン、森林クレジットの記述があるが、カーボンクレジットの概念が農業分野でも広がりつつあるので、その観点も含めていただきたい。

<委員>「京都ならではの豊かさ」が価値を生んでいるので、その意味で一つの特徴として入っているのだと思う。ただ、先の委員の意見のように「環境」「社会」「経済」の3つ全体に京都らしさがかかる方がよいので、それぞれの説明部分に京都らしさが入る形になると良いのではないか。

→<事務局>京都が誇るものは南北につらなる自然環境の多様さや寺社仏閣に代表されるような伝統文化であり、この豊かさを守っていくことが重要と考え、「京都ならではの豊かさ」を柱のひとつとしたところ。環境・経済・社会の好循環の創出は現行計画に既に入っている考え方であり、今回はそこに新たにウェルビーイングを並列で加えたもの。

このため、環境・経済・社会を3つの柱とするのではなく、環境・経済・社会の三側面を統合的に向上させることで、ウェルビーイングをはぐくみ、またそれにより環境・経済・社会の好循環を図っていくことを施策展開の基本となる考え方とし、この根幹をなすものとして新たな3つの柱をお示しした。

ウェルビーイングの定義について考えた際に、「健康健全」も議論に上がったが、健康健全な状態が最終的に幸せの実感につながると考え、幸せとした方がより伝わりやすいと考えた。

農業分野でのカーボンクレジットは概要案では割愛しているが、計画本文の中でしっかり書き込んでいきたい。

<委員>「京都ならでは」を軸として強調したいという思いは理解した。

<委員>3つの柱で一番大事なのが「京都ならではの豊かさ」だと思う。

<委員>3つの柱は意欲的な内容だと思うので、より伝わるよう表現等をブラッシュアップしていくと良いのではないか。

<委員>(29頁)(30頁)プラスチック廃棄物の資源循環は重要だとは思うが、なぜ「2R優先の循環型社会の促進」を「3R・資源循環の促進」に修正したのか。

→<事務局>廃棄物の2R(リデュース、リユース)の取組は引き続き必要ではあるが、国の計画や世界情勢を踏まえると、再生材の利用を拡大する取組や資源循環を意識した取組も重要であるため、2Rに限定して書くのではなく、「3R・資源循環の促進」と修正したもの。具体的な取組の内容は、今後見直し予定の京都府循環型社会形成計画でご意見いただきながら検討していきたい。

<委員>「2R優先」が「3R」に置き換わるのか。

→<事務局>現行の国や京都府の関連計画などを踏まえ検討した結果、この表現とした。

<委員>廃棄物減量化を妨げることにならないか懸念がある。

<委員>今回は他の府計画との整合性も踏まえて、環境基本計画の見直しの検討を進めているところだが、先の委員の意見も踏まえ、事務局で経緯を含め再度整理し、引き続き検討していただきたい。

次に、進捗状況点検運用案についてご意見をいただきたい。実際には計画見直し後に進捗状況評価を始めることになるが、現時点から評価方法を検討しておくべきという事務局の判断による提案であり、広くご意見をいただきたい。

<委員>従来の評価について、より定量化をはかる方向性での事務局案であると理解した。モニタリングを意識して計画の進捗評価を行っていくということは、当然の流れであり支持したい。

一方、府内市町村との関係を誰がどのように取り込んでいくのかについては、各部会に委ねられても見通しが見えないため、総合政策部会と他の各部会との階層的な構造がこれだけで良いのかは疑問があるため、さらに検討していただきたい。

<委員>基礎自治体との関係はかなり重要。市町村の担当者との情報交換をなど行っていく方が良いのではないか。

(73頁)進捗状況の点検プロセスについて、府民意識調査で幸福度、満足度を評価するのは良いが、客観的数値も位置づけて全体を評価することも必要ではないか。

<委員>ウェルビーイングの評価はあまりにも抽象的なので、もう少し議論を進めてからの検討になる。点検の方法は事務局の提案で進めていただいてよい。

<委員>私も賛成する。ある程度事務局で検討していただき、部会でも意見を出し合いたい。それを基にウェルビーイングの評価方法を考えるべきと思う。

<委員>進捗状況の点検は令和9年度から開始であるため令和8年度までに各部会において指標、ロードマップを検討していただく必要がある。今年度は総合政策部会の中で、とくに各部会長に積極的に議論をしていだだき、基本的な評価の枠組をつくるという流れでよいか。

→<事務局>今年度から個別計画改定の議論を進める部会もあり、その議論の中で指標やロードマップについても検討いただく必要があると考えている。PDCAの回し方についても想定しながら各部会で検討していただきたいので、令和8年度からと限定せず、各部会で検討していただきたい。

<委員>PDCAの回し方、モニタリング方法を今年度検討するが、その中でウェルビーイングの評価方法も重要なポイントとなってくるという理解で良いか。

→<事務局>ご認識のとおり。

<委員>ウェルビーイングの評価と考えると難しいが、視点を変えて逆にウェルビーイングではない状態かを評価方法としても良いかもしれない。

<委員>今後の流れについて、再度事務局から説明いただきたい。

→<事務局>今後、本日の議論を整理した上で、6月府議会で概要報告を行い、これまで審議いただいた内容を計画本体に文章として落とし込んだ中間案を作成する予定。7月下旬から8月上旬に次回の総合政策部会を開催したいと考えているが、その前に中間案を委員の皆様に事前に共有し、ご意見をいただきたいと思っている。

<委員>中間案の確認などについて、引き続きご意見をいただきたい。

5 当日資料

お問い合わせ

総合政策環境部脱炭素社会推進課

京都市上京区下立売通新町西入藪ノ内町

ファックス:075-414-4705

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