更新日:2026年7月10日

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【インタビュー記事】医療的ケア児と家族の「日常」を支え、「未来」をつくる挑戦ー認定NPO法人こども未来

※このページでは、認定特定非営利活動法人として認定された団体については、「認定NPO法人」と記載しています。

こども未来イメージ画像

「眠れない夜が当たり前の子育てを変えたい」

台風が近づき、強い雨が降り続く一日。
住宅街にある「こどもみらい園」を訪れると、外の荒れた空気とは対照的に、園内には子どもたちの穏やかな時間が流れていました。

認定NPO法人こども未来では、認可小規模保育園「こどもみらい園」、重心型放課後等デイサービス「Sunny(サニー)」、訪問看護ステーション「Sunny(サニー)」の3事業を通じて、医療的ケア児・重症心身障害児とその家族を支えています。

今回は、その中でも日常の基盤となる「こどもみらい園」を訪問し、現場の実情と今後の展望についてお話を伺いました。


医療的ケア児用の大きなバギーもそのまま置ける広いエントランス

「医療的ケア児」とは

医療的ケア児とは、日常生活を送るために、痰の吸引、経管栄養、人工呼吸器の使用等、医療的なケアを常時必要とする子どもたちです。

医療の進歩により、これまで病院で生活していた子どもたちも、現在では自宅で家族とともに生活することが可能になってきました。しかし、その生活は、家族にとって大きな負担を伴うものでもあります。

当事者として向き合ってきた日常

認定NPO法⼈こども未来の理事⻑を務める岡本 ⾹澄(おかもと かすみ)さんは、重症心身障害児(重度の肢体不自由 及び 重度の知的障害)で、かつ医療的ケアを必要とするお子さんを育てる保護者でもあります。
娘さんの医療的ケアは以前より少なくなったものの、夜間も十分な睡眠がとれないとのことです。

医療的ケアが必要なお子さんの保護者は、常に子どもの状況を気にかけ、夜間も医療機器の光や⾳に気を配りながら、痰の吸引等のケアを続ける⽇々。

「保護者はこの状況が当たり前になっていて、何をみなさんにお願いすればいいのか分からない」と語ります。

特に夜間の対応は母親が担うことが多く、十分に眠れない日が続くなど、家庭への負担は非常に大きいものとなっています。


理事長の岡本さん(写真中央)と、管理栄養士の上村さん(写真左)

「やれる人がいないなら、自分たちで」

医療的ケア児と家族を支える場所がなぜ少ないのか。
その問いから、この取組は始まりました。

制度や現状を確認する中で見えてきたのは、「担い手が足りない」という課題。
それを受け、「それなら自分たちでやるしかない」と決意し、こどもみらい園の設立に向けた取組がスタートしました。

人と人のつながりから生まれた施設

こどもみらい園の設立に当たっては、同じ立場の保護者たちにも声をかけました。

 「自分たちがいなくなった後、この子たちはどうなるのか」

その思いが人と人をつなぎ、施設の内装や設備は、保護者同士のネットワークによって整えられていきました。日用品の寄附等、多くの支えによって施設の運営が成り立っています。


医療的ケア児の保護者が作られたおもちゃ箱


手拭きペーパーは、医療的ケア児の保護者が働く会社から寄附されたもの

「こどもみらい園」での支援

今回訪問した「こどもみらい園」は、定員11名の認可小規模保育園です。

管理栄養士・調理師・保育士・看護師が常駐し、医療的ケア児や重症心身障害児も受け入れるインクルーシブ保育で、ほぼマンツーマンで支援を行っています。

現場では、子ども一人ひとりの状態に応じた細やかな工夫が重ねられています。

  • 体調に応じて休める個別スペース
  • 体温調整を意識した空調管理
  • 食べやすさに配慮した食事形態(刻み・とろみなど)

「少しの違いが、その子の安心につながる」
日常の積み重ねが、子どもたちの居場所を支えています。


保育士、看護師によるほぼマンツーマンでの手厚い保育


子ども一人ひとりの状態に応じた食事の提供


見ているとおなかが減ってくる日替わりの昼食とおやつのメニュー表

家族全体を支えるということ

医療的ケア児の支援は、子どもへの支援だけでは完結せず、家族への支援が欠かせません。

岡本理事長は、現場で聞いてきた家族の声について、こう語ります。

 「母親が倒れたら、この家族は成り立たなくなってしまう。」
 「私の願いは、この子より一日だけ長く生きることです。この子をきちんと看取り、そのあとに私も旅立ちたい。それだけが親としての願いです。」

その言葉には、子どもを最後まで守り抜きたいという深い愛情と、「自分がいなくなったら、この子はどうなるのだろう」という、親だからこその切実な不安が込められていました。

 「ゆっくりお風呂に入ったのは、いつだっただろう。」
 「トイレに入っていても、人工呼吸器のアラームが鳴っていないか気になり、落ち着いていられません。」
 「夜中も何度も痰の吸引が必要で、何年も朝まで眠れたことがありません。」

これは、医療的ケアが必要な子どもを育てるお母さんたちの日常です。24時間365日、子どもの命を守るための医療的ケアは休むことができません。
人工呼吸器、痰の吸引、経管栄養、痙攣への対応……。子どもの小さな変化にも気を配り、一瞬たりとも気持ちを緩めることはできません。自分の体調が悪くても休めない。美容室へ行くことも、友人と食事に行くことも難しい。それどころか、お風呂、お手洗いもゆっくりと時間を取れない。

兄弟姉妹には、「公園?また今度連れていくね」「無理を言わないで…」と我慢をさせることばかり。家族全員が医療的ケア児を中心とした生活になります。

本来、子どもを育てることは家族だけが抱え込むものではありません。
地域が支え、医療が支え、福祉が支え、社会全体で子どもと家族を支える仕組みが必要です。
しかし、現実には、安心して預けられる場所や、家族が少しでも休息できる環境は十分とは言えません。


家での入浴の負担軽減のため、夏は園でシャワーを提供


送迎時の負担軽減のため、布団はレンタル制で週1回クリーニングを実施


持参物軽減のため、紙オムツは無料提供

次の挑戦 ―「みらプロ」へ

こうした現場の積み重ねの先に、次の大きな挑戦があります。
それが、医療と福祉がつながる新たな複合拠点、そして家族を支える拠点づくり「みらプロ」です。

診療所、訪問診療、訪問看護、医療型短期入所、リハビリ、通所支援、相談支援を一つにつなぎ、子どもだけでなく、家族の暮らし全体を支える京都発の新しい地域モデルです。

総事業費 約4億円 — 実現に向けた第一歩

この拠点整備には、総額約4億円規模の資金が必要とされています。

その第一歩として、ふるさと納税制度を活用した「京どねーしょん」の仕組みにより、ふるさとチョイス ガバメントクラウドファンディング®(GCF®)にて、令和8年7月1日から寄附募集を開始しています(第1期目標金額:2,000万円)。 

今後、GCF®では、

  • 令和8年7月から9月まで:2,000万円
  • 令和8年10月から12月まで:3,000万円
  • 令和9年1月から3月まで:1,000万円

と段階的に資金調達を進め、計6,000万円の寄附を目標としています。

自分ごととして考えるきっかけに

インタビューを通して強く感じたのは、この課題が決して遠い存在ではないということでした。
取材者自身も子育てをする立場としてお話を伺う中で、日常の一つひとつの負担が積み重なっていく現実の重さに、胸を打たれる思いがしました。

ある日突然、支援が必要になるかもしれない。
そんな時に「ここにつながれば安心」と言える場所があるかどうか。

こどもみらい園と「みらプロ」の取組は、その問いに向き合うものです。
岡本理事長の言葉にあったように、当事者にとっては「当たり前」になってしまっている現実。
その現実を社会で支えていくことが、これからますます求められています。


インタビュー中も、笑顔と歌声があふれる園内の様子

ご支援のお願い

岡本理事長は、この取組について次のように語ります。

「私たちがつくりたいのは、建物ではありません。
 お母さんがお風呂でゆっくり深呼吸できる時間。
 兄弟姉妹児が我慢をしなくてもいい暮らし。
 家族みんなで笑顔で囲める食卓。
 そして、親御さんが『この子の未来を地域に託せる』と安心できる社会です。
 皆さまのご協力は、子どもたちの命だけでなく、ご家族の『安心』と『希望』を支える力になります。
 京都から始まるこの挑戦に、どうかお力をお貸しください。」

このような想いを受け、京都府では、ふるさと納税を活用した「京どねーしょん」により、本取組を応援しています。
皆さまからのご寄附は、医療的ケア児とその家族の暮らしを支え、地域の中で安心して生活できる環境づくりにつながります。温かいご支援を心よりお願いいたします。

(取材:鈴木)

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お問い合わせ

文化生活部文化生活総務課 府民協働係

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-414-4230

bunkaseikatsu@pref.kyoto.lg.jp