ここから本文です。
令和7年度6月補正予算案の追加提案分の概要を御説明します。
なお、議会へは6月23日(月曜日)に提案する予定です。
まず、予算編成の基本方針ですが、国において予備費を使用して重点支援地方交付金の増額が措置されましたので、府民生活や事業活動を守るために必要な予算を追加で計上しております。京都府への追加交付限度額は、11.2億円の内示がありました。
地方の実情に応じた支援の実施と早期の予算化を国からも求められていますので、可能な限り早期に効果を発現させるため、今回、必要な予算を計上しております。
まず、「府民生活を守るための取組」として、(資料2ページ)上段が「LPガス価格高騰対策費2.9億円規模です。
国の支援対象とならないLPガスの消費者負担の軽減を行うということで、国の電気・都市ガス料金の支援に合わせ、1契約当たり1,000円を上限とした支援を実施するものです。
(資料2ページ)下段は、「きょうとこどもの城等特別支援事業費」1千万円規模です。
食材費の高騰により厳しい運営が続く子ども食堂等を支援してまいります。
次に、「事業活動を守るための取組」といたしまして、「京もの食品緊急支援事業費」7千万円規模です。
府内の農林水産業を支えています食品加工業者の持続的な経営を推進するということで、府内産農林水産物を原料とする加工食品の販売促進に係る経費等の支援を行います。
(資料3ページ)中段が、「農林水産業経営基盤強化事業費」4千万円規模です。
今も暑いですが、今年の夏は猛暑が予測される中で、農業者等の経営安定化を推進するものです。
(資料3ぺージ)下段が「公共交通人材確保対策事業費」7千万円規模です。
令和7年度に入ってからもバス路線の廃止や減便が相次いでいることから、運転士の確保を推進するために支援を行うものです。
中身については以上です。予算の規模ですが、既に提案しております6月補正予算案に加えまして、今回追加提案します6月補正予算案が5億円台です。この中には、府議会議員の補欠選挙執行経費も含まれています。現計予算と合わせまして補正後予算額1兆353億円台です。
ちなみにこの額は、令和6年度の6月補正後と比較しますと103.7%となります。
私からは以上です。
補正予算について、LPガスの支援は1,000円が上限ということだが、どういう制度なのかもう少し詳しく伺いたい。
元々、国の電気・都市ガスへの支援のレベルに合わせて、消費者の方が(使用料金を)支払われる時に1,000円を上限にして減額をするという形です。
実際は団体を通じて事業者に補助金を交付することによって、直接消費者に渡すのではなく、仕組みとして消費者が払う時に使用料金を減額するもので、その財源を(事業者に)交付するという仕組みです。過去何回か実施していますが、基本的には同じ仕組みで実施させていただきたいと考えています。
「京もの食品緊急支援事業費」は新規事業ということだが、これまでに同様の事業を実施したことはないのか。
直接的に全く同じ項目で予算計上したことはおそらくないと思います。
ただし、例えばコロナの時に、原料ではなく全体的に、飲食店や加工食品の販売が非常に低迷した時に、販売について京都府が支援することによって、価格を下げて販売を促進したというようなことはあります。それから、食品業界そのものに対して直接支援はしていませんが、販売促進などについては行ったことがあるかもしれません。今回のような仕組みはおそらく初めてだと思います。
改めて、今回の補正予算のねらいを教えていただきたい。
まずきっかけとしては、先ほど言いましたように、重点支援地方交付金の内示がございました。しかも、国の方からも出来る限り、可能であれば早期の予算化ということも求められているという中で、必要なものについて計上させていただいたということです。
一つは、全体が物価高騰やエネルギー価格の高騰に対応するということで、典型的にはLPガスですが、国が行う支援の対象になっておらず従来から取り組んだ経緯もありますし、財源もありますので、その負担軽減を行うということです。
それから、子ども食堂等への食材の支援については、実は4月から既決予算を使った事業として始めていますが、その中で利用者が非常に多いことと、米がなかなか食べれなくて困っているといった現場の声が届いていましたので、それに対応するために計上するということです。やはり物価高に直面する日々の生活を守るということが一点です。
それから事業活動について、「農林水産業経営基盤強化事業費」は、元々暑くなることは分かっていましたが、特にこの夏はより暑くなることが予想されたという中で、農林水産業の皆さんも非常に危機感を持っておられるということで、改めて調べますとニーズが非常に高まっているということもありましたので、行わせていただくということです。
「京もの食品緊急支援事業費」も同様でして、特に原材料としての農林水産物のシェアが大きい加工食品については、物価高騰等が直撃しているということもありましたので支援をするということです。
「公共交通人材確保対策事業費」についても、先ほど言いましたが、令和7年度に入ってからもバス路線の廃止や減便が相次いでいるということで、事業者の方からも、今まで実施してきた支援についてもそれなりに効果があるということで評判もよかったので、これも緊急的に支援をするということです。
全体として枠はそんなに大きくはないですが、物価高などから府民生活・事業活動を守るという形で、今回追加の提案をさせていただくということです。
子ども食堂の支援について、米等の食品を提供するということだが、今お米の値段が上がっていることを受けて(支援を行う)ということなのか。
米だけではなく全体的に食材について物価は高騰していますし、子ども食堂へ参加する人数が急激に増えているという足元の状況があり、食材の調達自体が非常に困難だということと、もちろん物価高によって運営が非常に厳しい状況になっているといった声をトータルで考慮したということです。
その中の1つの要素として、米の値段も関係するかもしれませんが、それだけを狙って行う施策ではないということです。
これは食品を現物で提供するものなのか。
そうです。子ども食堂に対しては、お金で支援するのではなく、いろいろな団体も連携して、子ども食堂に対して現物で支給するという形での支援です。
そうです。子ども食堂に対しては、お金で支援するのではなく、いろいろな団体も連携して、子ども食堂に対して現物で支給するという形での支援です。
LPガスの支援は何ヶ月分が対象なのか。1ヶ月だけか。
国の電気・都市ガス料金支援は7月から9月が対象ですが、準備などの都合があるので(支援の時期は、)これまでから少しずれて行っています。ただし、国の施策と同じ効果が出るような形で行うようにしています。過去にも国と同じ時期から始めていることはなく、国の支援と合わせた形では実施しますが、時期を同時にしているということはありません。
府内のLPガスの消費者は何世帯くらいなのか。
20万4,000世帯です。
「京もの食品緊急支援事業費」について、この事業を行おうと考えたきっかけは何か。
元々、加工食品については、特に府内産の農林水産物を使っておられるところで、農林水産物が経費に占める割合が非常に高いところは価格高騰の影響をそのまま受けることになります。付加価値を付けるなどいろいろな対策を講じてもすぐに効果が発現しないことから、加工食品業者について、急激な物価高騰への対策として何とか販売を促進するという観点で実施します。
全体的には、原料としている府内産農林水産物の価格が非常に高騰しています。価格が高騰しているということは、数量を調達することが困難になります。高額であれば原料を調達することができたとしても、急に加工食品の値段を上げることは難しいことから考えて、加工食品の販売促進等の経費を支援することが、間接的ではありますが府内産農林水産物の消費拡大にも繋がるということで、京都府で支援するものです。
「京もの食品緊急支援事業費」は、物価高騰対策という理解でよいか。
(予算編成の基本方針のうち、)これは事業活動を守るための取組としていて、事業活動に府内産農林水産物の価格高騰が影響しているので、物価高騰対策です。国の重点支援交付金もそうした趣旨の交付金ですので、その趣旨で措置しました。
子ども食堂の支援について、お米は備蓄米なのか。
それはわかりません。
(食料品等を)供給するきょうとフードセンターが寄付等様々な方法で調達されているものもあります。ずっと調べていけば分かるかもしれませんが、今すぐに備蓄米が使われているということはタイミングとしては考えにくいです。
一般家庭でもお米を手に入れるのは大変だが、子どもたちには迅速に届くのか。
今回の事業は備蓄米の放出とは全く別の話です。食材を提供することなので予算が成立して執行段階で(備蓄米が)含まれる可能性はゼロではありませんが、それを想定して制度設計している訳ではありません。
北陸新幹線について、昨日石川県の国会議員の研究会が米原ルートについて工期が15年、経費が1兆6,000億円になるという試算を出した。小浜・京都ルートよりも工期も短く経費も安いが、この試算への受け止めはどうか。
石川県選出の自民党の国会議員の皆さんが研究会を設置され、そうしたことを勉強・研究されることは既に報道されていましたので承知しております。その研究・勉強の成果がまとまったので公表されたものと考えています。
米原ルートと湖西ルートの工期と概算事業費をもう一度計算され、米原ルートの工期が15年、事業費が最大1.6兆円、湖西ルートの工期が22年、事業費が最大2兆円と示されたことは承知しています。
議長の岡田参議院議員は、現行のルートを否定するものではないが、いろいろな議論や課題がある中で選択肢を広げて検討することも必要だということで、議論が活性化すればいいと発言されたことも承知しています。
これについては、我々は今、小浜・京都ルートを前提に様々な法定手続きが進められている中で、あくまで石川県の国会議員の皆さんによる取組ということですので、これに対するコメントや評価をする立場にはないと考えています。
昨日、京都商工会議所の堀場会頭が、舞鶴ルートがいいと発言された。かつて京都府は舞鶴ルートを推進した経緯があるが、改めて舞鶴ルートを検討することについてはどう考えるか。
以前の記者会見でも御質問があったと思いますが、堀場会頭はあくまで御自身はルートに言及する立場にないけれども、舞鶴の重要性について御発言されたものだと考えています。
御質問にもありましたように、京都府でも私が知事になる前の平成28年、与党のヒアリングで舞鶴ルートについて言及をしましたが、その後の経緯でB/C(費用便益比)や速達性といった観点からも総合評価して今のルートが与党で決定されています。
我々も舞鶴について言及したことがありますので、詳しくは平成28年なので認識していませんが、堀場会頭が言っておられる舞鶴ルートの重要性や位置づけについて発言された趣旨は理解できます。ただ、今は、その後にB/Cや速達性を含めて総合的な判断をした結果として今の小浜・京都ルートに決定されているので、我々の手元には小浜・京都ルートしかないということです。
山田知事の時代には舞鶴ルートについて独自の試算をしたこともあるが、そうした試算をすることはないのか。
今のところそういう考えはないです。
北陸新幹線について、JR西日本の社長が桂川案に言及されたが所感はどうか。
去年の年末に我々がヒアリングを受けた後、ルートについては桂川案と南北案の2つが示されていて、今の国や鉄道・運輸機構のルート案に入っています。元々選択肢に入っているという意味では、JR西日本社長が発言されたことについて特段驚きはないです。
ただ、「京都駅にできるだけ近いところがアクセス上望ましい」ということを前段として仰っていたということなので、JR西日本が発言されたという意味では少し局面が変わったとは思いますが、元々原案にあるルートなのでその中での発言だと思いました。
社長も近く交代されるということで、これまでからずっと聞かれ続けて最後に答えられたのだと聞いています。
先日、石破総理から物価高対策として現金給付について発表があった。これについての所感はどうか。
夏の参議院議員選挙の自民党の公約に盛り込むことを検討するよう指示されたということだったので、自民党総裁の立場としての御発言だと考えています。
物価高騰対策は喫緊の課題ですし、私としては、物価高騰対策は総合的な検討が必要だと考えていますので、現金給付も物価高騰対策の全体像の中で国において議論されるべきだと考えています。
各政党が参議院選挙に向けて公約を出されます。選挙の公約はその内容によって有権者の審判を仰ごうというものですので、分かりやすく有権者が判断できるような形でそれぞれの政党が公約をアピールしていただくのが一番良いと思います。
様々な物価高騰対策が公約にはありますが、それぞれその性格や狙いは一長一短あると思いますので、有権者の判断が的確にできるように主張していただければありがたいです。
現金給付だけが良い悪いということではないと考えています。
一部の自治体の首長から、給付そのものに対して、市町村が仕事を担うため業務が増えるという懸念が挙がっているが、知事の所感はどうか。
現金給付だけではありませんが、これまでも市町村が事務を担って、かなり広範囲な国民の皆さんを対象とした施策は、市町村の事務作業が膨大になることは間違いないと思います。
だからといってその施策の有効性に関係するか私には分かりませんが、私の立場としては、市町村の事務処理について仕組みや制度を考えることも念頭においていただかないと、「事務作業が大変」というだけではなく、施策の効果が的確・迅速に発現しないことに繋がりかねないので、そうしたことは配慮して制度構築をしていただきたいと考えています。
ただ(今回の給付については)まだその段階に至っていないとは思います。
現金給付に対して、野党からは余っているお金を配るならそもそも取らないほうがいい、給付より減税の方が先ではないかという意見もあるが知事の考えはどうか。
石破総理は現金給付の財源について「赤字国債に頼らない」と言われています。減税の場合は法律改正が必要になり、国会審議で一定の時間が必要なことや、恒久的に長い間減税が続くことになります。それがいいのかどうかということもあります。
減税と給付はそれぞれ制度の特徴・狙い・効果に違いがあると思うので、そこも含めて施策の中身についてきちんと国民に問いかけることが必要だと考えています。
ただ、物価高対策をなんとかしなければいけないということは、各政党共通の思いだと考えています。
万博について、以前の会見で「万博に来た方がどれだけ京都に来ているか把握するのが課題」だと言われていたが、その後具体的な方策は考えられたか。
事務局から「頑張る」という決意は聞いていますが、結果や把握手法はまだ報告は受けていません。
例えば京都駅の南北自由通路に設置した「EKIspot KYOTO(エキスポキョウト)」に魅力発信プラス情報発信ブースがあり、そこへの来場者に万博に行ったか聞いている場合もあります。他にも万博会場内の京都ゾーンでヒアリングをする等、手法を検討しています。
数値とは別に、万博の影響で京都府内のどういった所に人が集まっているなどといったデータはあるか。
北部地域の様々なイベントや施設利用者も含めて非常に好調で、万博の会場に行かれたかは別にしても、全体として、万博の盛り上がりを通じて京都北部に観光客が流れているということはあります。京都市内の観光客はベースの数が多すぎて、ほかの要因でも増減が出ているので、万博の影響はすぐには分かりませんが、北部への人の流れをみると、明らかに効果があるのではないかと考えています。
先週、「地方創生2.0基本構想」が発表されたが、これについての効果や京都府としての対応について伺いたい。
「地方創生2.0基本構想」と合わせ、施策集も決定されたと認識しています。
構想自体はこれまでの地方創生の成果と反省もあり、東京一極集中是正に向けて今後の10年間を見据えた地方創生の方向性が示されたと考えています。
ただ、中身が膨大ですので、ざっくりと言えば、例えば、具体的な施策の中では、けいはんな学研都市の特徴を生かした取組を挙げていただいていますし、国土強靱化中期実施計画に基づく施策の重点化、地域の担い手として女性や若者、シニアへのアプローチを強化する等、我々が6月4日、5日に東京に行き政策提案した施策もかなり盛り込まれています。その意味で我々が目指す地域創生と一致していると評価しています。
ただ、これもそれぞれの施策が具体化することが重要ですし、もう一つは、私がいつも言っていますように、国土構造全体としての東京一極集中是正を合わせてやっていかないと、地方創生の各論としての施策の積み重ねだけでは解決できない問題もあります。
「地方創生基本構想2.0」をよく読むと東京一極集中是正についてもかなり言及されていますので、基本的には実現に向けてぜひ政府として努力していただきたいと考えています。
お問い合わせ