由良川流域の洪水被害を軽減するため、大野地区の人々の理解により竣工した大野ダムも早60年の歳月を刻み、大野ダムと虹の湖は南丹市美山大野ダム公園と一体となって、さくら祭りやもみじ祭りの会場となるなど、南丹市美山町の西のランドマークとなっています。今後は、大野ダム一帯の水とみどり豊かな景観を保全するとともに、地域活性化の取り組みを推進し地域振興の拡大を図りたいという思いを受け、京都府景観資産第16号に登録しました。
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基本概要
所在地:南丹市美山町樫原地内 分類:自然景観
提案者:美山町大野振興会 登録年月日:平成24年6月18日
アクセス:【大野ダム】JR和知駅から京丹波町町営バス(長瀬線)長瀬駅下車(約10分) 【大野ダム公園】JR和知駅から京丹波町町営バス(長瀬1線)大野ダム駅下車(約10分) (無料駐車場有り 100台)
大野ダム
京都府南丹市美山町に位置する「大野ダム」は、昭和28年9月、台風13号による大洪水で未曾有の大災害が発生したのをきっかけに、将来にわたって由良川下流域の洪水被害を軽減するため、大野地区の人々の家屋等の移転への理解を得て、昭和32年から建設工事が進められました。昭和36年に完成した大野ダムは、洪水調整と発電を目的とした多目的ダムであり、近代土木遺産としても高く評価されています。堤頂部には古城をモチーフにしたデザインが施され、周囲の自然景観との調和を図る工夫が随所に見られます。
そのダム湖である「虹の湖」は、四季折々の自然と調和した美しい景観を誇る地域のランドマークです。春の桜、夏の緑、秋のもみじ、冬の雪景色が湖畔を彩り、訪れる人々に癒しと感動を与えています。虹の湖の周辺には、ダム建設時に地域振興を願って植えられた約2,600本の桜や紅葉があり、府内でも有数の名所として知られています。春と秋には「さくら祭り」「もみじ祭り」が開催され、多くの来訪者で賑わいます。
大野ダム公園では、遊覧船やボートで虹の湖からの眺めを楽しむこともできます(有料)。また、大野ダム公園内は、自然の景観を壊すことなく施設が整備され、誰もが気軽に訪れることのできる景勝地であり、多くの写真愛好家が季節ごとに訪れるほど良好な自然環境が形成されています。
美山町域では、緑豊かな自然と美山川の清流、かやぶき民家の景観を有する町として、美しい風景と町並みを守り育てるため、「美しいまちづくり条例」と「ホタル保護条例」を定め、一定規模以上の開発や地域に適さない建築物の立地等を規制するとともに、優れた自然環境と豊かな情緒の増進をはかっています。そのほか、大野振興会では、環境パトロール、ごみの持ち帰り運動に加えて、大野ダム管理事務所や南丹市と協力して計画的にさくらやもみじの樹木を剪定し、「自らの地域は、自らで守る」という理念を、地域の子供たちに継承されています。
さくら祭りやもみじ祭りの開催、大野ダム・大野ダム公園一帯の景観保全などの取り組みが、より多くの人へ魅力としての発信につながり、価値を理解してもらうことで、地域活性化を目指されています。
登録箇所の位置
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