昭和28年の南山城水害による大災害を機に完成した現在の大正池は、町内外の人達の癒しと交流の場として活用され、玉川の源流部である大正池周辺では、一体的な水系として森林整備と自然環境保全に積極的に取り組まれています。今後の活動や交流発展に繋げたいという思いを受け、京都府景観資産第6号に登録しました。
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基本概要
所在地:井手町大字多賀 分類:都市施設・産業施設に関する景観
提案者:NPO法人大正池環境サポートセンター 登録年月日:平成20年1月24日
アクセス:JR玉水駅から車で約15分
大正池
井手町に位置する大正池は、満水面積約4ha※、23万t※の水をたたえる京都府内でも最大級の農業用ため池です。池と周辺の町有林を含む約78haの広大なエリア(登録地)には、約2kmの散策路が整備されており、そのほか四季折々の花が咲き乱れ、野鳥が飛び交う広大な自然が広がり「浮御堂」や「願いの架け橋」「自然観察園」があります。
昭和28年の南山城水害により旧大正池と二ノ谷池が決壊し、多くの犠牲者を出したことを受けて、昭和35年に二ノ谷池跡地に現在の大正池がつくられました。大正池から流れ出る玉川は、「山吹の井手の玉川」として名をはせています。玉川堤には約500本のソメイヨシノが植えられ、春には約5万人の花見客が訪れる名所となっています。
大正池周辺は、自然豊かな環境でのレクリエーションや宿泊ができる施設として、大正池グリーンパークが整備されています。針葉樹を中心に町有林の豊かな自然空間が広がっており、自然の宝庫と言われるほど様々な動物が生息しています。源氏ボタルやモリアオガエルなど、限られた水辺でしか生息しない生き物もいます。玉川水系の水は地域住民にとっても、動植物にとっても命の水であり、大正池はその水源として重要な役割を果たしています。
地域の景観づくりでは、モデルフォレスト活動と称して、地元NPO団体や企業、住民が連携し、森林保全や環境保全活動が進められています。癒しと交流の場として、また災害を乗り越えた歴史と文化の空間として、大正池は井手町の重要な景観資産とされており、持続可能な景観づくりが行われています。
※保存活用計画書より引用
登録箇所の位置
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