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当所では、茶生産農家と茶流通業者の後継者を対象に、宇治茶業界を担う人材を育成するため、大正14年から茶業技術研修生制度を実施しており、現在までに204名を現場に送り出してきました。また、宇治茶生産の新たな担い手を確保するため、令和元年度に「宇治茶実践型学舎」を設立して、新規就農希望者の京都府内での就農を支援し、これまでに2名の就農を実現しています。
令和8年度は茶業技術研修生として茶農家の後継者で、宇治市、城陽市、宇治田原町から各1名の計3名、宇治茶実践型学舎生として東京都出身の1名が入所することになり、4月8日に合同の入所式を開催しました。研修生・学舎生は、入所式後に新聞記者等の取材に応じ、「研修中は、基礎を学びたい」「将来は茶業の発展に貢献したい」とそれぞれ抱負を語っていました。
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入所にあたり宣誓する学舎生 |
入所式後の取材を受ける研修生・学舎生 |
当所では、所内の定点茶園において、一番茶新芽の萌芽※および生育状況について調査を行っています。特に、本格的な一番茶のシーズン到来を告げる萌芽の時期は、今後の新芽生育や晩霜害対策に重要であるため、当所は毎年この時期に「萌芽宣言」を行い、府内生産者や茶業団体等に情報提供を行っています。
令和8年の1~3月の平均気温は平年より高い状態から高い水準で推移し、一番茶萌芽宣言は、平年より1日早い4月3日となりました。
萌芽期以降は5日毎に、新芽の生育状況を調査し、一番茶生産に役立つ情報としてホームページ等で公表しています。また、気象予報と組み合わせて新芽の葉期予測情報も公表し適期作業の判断を支援しています。
萌芽:新芽の長さが包葉(芽を包んでいた葉)の約2倍になった状態のこと
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萌芽した茶の新芽 |
報道機関の取材を受ける研究員 |
当所では、茶業技術研修生や宇治茶実践型学舎生を対象に、座学と実習を組み合わせた講義を行い、実践的な理解の促進に取り組んでいます。これらの講義・実習は、年間を通じて約100時間実施しています。
3月の「土壌肥料」に関する講義では、茶の適切な栽培管理に必要な土壌中窒素の把握を目的に、簡易分析の実習を行いました。講義の中では、茶が生育の過程で利用しやすい窒素の形態があることを踏まえ、土壌中の窒素の状態(アンモニア態・硝酸態)を把握する重要性について説明しました。
実習では、RQフレックス※を用いて、土壌中の窒素含有量を簡易に測定しました。当日は、市町村推薦による茶農家の後継者や農業職専攻研修・茶チームの研修生を含む6名が参加し、当所職員の指導のもと分析手順を体験しました。参加者は、土壌分析が施肥設計や日常の栽培管理に役立つことを理解する機会となりました。
RQフレックス:試験紙を用いて土壌成分を簡単に測定できる携帯型分析装置
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講師の説明を真剣に聞く受講生 |
分析試料の試薬を注入する受講生 |
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